肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌性感染症について
肺炎球菌感染症とは肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この肺炎球菌は健康な人の鼻やのどにも存在することがあり、唾液などを通じて飛沫感染します。肺炎球菌は成人の肺炎の代表的な原因の一つですが、副鼻腔炎、中耳炎などの原因ともなります。また、血液や髄液、関節液などに入り込んだ場合を侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と言い、重篤な場合は死に至ることもあります。
全身性エリテマトーデス(SLE)では病気自体や使用中の免疫抑制薬の影響による免疫力の低下によって様々な感染症のリスクは高いとされています。SLE患者さんでは肺炎球菌性肺炎および侵襲性肺炎球菌感染症の発症率は一般人口と比較して高く、肺炎球菌性肺炎で4.4倍、侵襲性肺炎球菌感染症で約13倍だったという報告があります。また、SLE患者さんでは一般人口と比較して肺炎球菌関連感染症に関連する死亡率が高いともいわれており、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。

肺炎球菌ワクチンについて
肺炎球菌は莢膜ポリサッカライド(CPS)という自分の身を守るための膜に包まれていますが、この膜の構造の違いによって、100種類以上のタイプ(血清型)があることが知られています。肺炎球菌ワクチンはこのCPSを利用してつくられており、ワクチン接種によってからだの中でCPSに対する抗体が作られると、肺炎球菌感染症にかかりにくくなったり、重症になることを防いだりします。なお、肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンとよばれるタイプのワクチンであり、ワクチンが原因で肺炎球菌に感染することはありませんし、ステロイドや免疫抑制薬を使用していても接種することができます。
肺炎球菌ワクチンには、利用しているCPSの種類によって、いくつかの製剤があります。日本では2026年3月31日まで、65歳以上の方を対象としてニューモバックス®(PPSV23)の定期接種が行われていましたが、2026年4月1日からはプレベナー20®(PCV20)に変更になりました。また、2025年10月29日にはキャップバックス®(PCV21)も成人を対象として承認されており、肺炎球菌ワクチンの選択肢が広がっています。
ワクチン接種をすることで肺炎球菌感染症の予防効果が期待されます。過去のワクチン接種歴や年齢、使用している免疫抑制薬によって推奨される接種方法(製剤や接種時期)が異なるため、主治医の先生と相談して決めるようにしてください。
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