運動について

全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんにとって、適切な運動は健康を保つうえで多くの利点があります。この記事では運動の利点と注意点について解説します。ぜひご自身の状況に合った運動を取り入れるための参考にしてください。

運動がもたらす主な利点

健康に関連した生活の質の向上

SLEの患者さんにとって、運動は「生活の質」を高める効果が期待されています。定期的な運動は疲労感を軽減し、抑うつ状態を改善することが報告されています。また、心身の調和を保つことで、日常生活への意欲や活力を引き出します。

有酸素運動による体力向上

ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を高める効果があります。階段の昇り降りや買い物などの軽い運動が楽になることで、自立した生活を送りやすくなります。

骨粗しょう症対策

SLE患者さんは骨粗しょう症のリスクが高いため、適度な運動は骨密度の維持に役立ちます。特に骨に適度な負荷をかける運動(軽い筋力トレーニングやウォーキング)は、骨を強くする効果が期待できます。

運動を始める前に知っておきたい注意点

運動は適切に行うことで大きな恩恵がありますが、ひとりひとりの患者さんの病状や体調、体力を考慮して気を付けなければならないこともあります。

主治医との相談

すべての患者さんが運動を安全に行えるわけではありません。特に心臓や肺に問題がある場合や、病状が不安定なときには運動を行うことが推奨されない場合があります。主治医と相談し、適切な運動内容や強度を確認してください。

日焼け(紫外線)対策

SLE患者さんは紫外線により病状の悪化を起こしてしまうことがあるため、屋外での運動時には日焼け止めを使用し、帽子や長袖の服を着用するようにして下さい。特に真夏の日中は避け、朝や夕方の涼しい時間帯に運動を行うことをおすすめします。

寒さ対策

寒い季節に運動を行う際、レイノー現象がある患者さんは特に注意が必要です。手袋や温かい服装で体を冷やさないよう心がけましょう。それが難しい場合は、暖かい屋内での運動を検討してください。

疲れを感じたら休む

過剰な運動は体調や病状を悪化させる可能性があるため、無理は禁物です。「心地よい疲れ」を目安にし、体調に応じて休息を取り入れましょう。

運動を生活に取り入れる方法

ウォーキング:毎日15~30分程度の歩行を目指しましょう。ペースは無理なく会話ができる程度が理想的です。

軽い筋力トレーニング:医師の許可を得たうえで、軽いダンベルや自分の体重を利用した運動(椅子を利用したスクワットなど)を取り入れてみてください。

ヨガやストレッチ:からだの柔軟性を保つために適しています。無理をして転倒しないように気を付けましょう。

これらの運動は特別な道具や設備を必要とせず、自宅や近所で気軽に行えます。日々の生活に無理なく組み込み、継続することが大切です。

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