シクロホスファミド(エンドキサン®)について

どのような薬ですか

シクロホスファミドは免疫抑制薬のひとつです。これは、体の中で起きている免疫反応を抑える効果があり、主に免疫系の異常によって引き起こされる病気の治療に使われます。シクロホスファミドの使用により     過剰な免疫反応を鎮めて炎症を抑え、各臓器へのダメージを防ぐ効果が期待できます。点滴によるパルス療法(IVCY)と経口投与(POCY)の2つの主要な投与方法があります。

どのように使用するのですか

経口投与

投与量:体重1kgあたり1 mg/日(1日量50-100mg)で開始し、少なくとも3ヶ月は継続します。比較的ご高齢の方(60-65歳以上)または腎臓の機能の悪い(Cr 2 mg/dl以上またはeGFR25-30以下)患者さんには減量して使用します。ご自身の判断で薬の量を調節することはせず、主治医の先生に教わったとおりに服用して下さい。他に服用している薬がある場合、飲み合わせができない場合がありますので、主治医の先生に伝えてください。

点滴静注

投与量: 経口投与に比べて有害な作用の頻度を下げる効果があります。通常、SLEの疾患活動性(病気の勢い)が強くて治療が難しい患者さんに対して使用されます。2週間~1ヶ月に1回、計6回の投与が一般的です。比較的ご高齢の方(60-65歳以上) または 腎臓の機能の悪い(Cr 2 mg/dl以上またはeGFR25-30以下)患者さんには減量して使用します。

どのような副作用があるのですか

免疫抑制薬一般に言えることですが、細菌やウイルスに抵抗する力が低下し、感染症にかかりやすく、感染症にかかった場合に重症化・長期化することがあります。投与後約2週間で血液細胞が減少(貧血、白血球減少、血小板減少)することがあります。その他、はき気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などの胃腸障害、膀胱からの出血(出血性膀胱炎)、肝障害などが起きることがあります。シクロホスファミドの長期的な使用では、薬の蓄積により不妊や悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫)のリスクが増加します。妊娠を希望される患者さんでは、不可逆的な不妊のリスクが高いため、シクロホスファミド使用前に精子や卵子の凍結保存をすることがあります。

他にどのような注意が必要ですか

・妊娠中のシクロホスファミドの使用は、流産や胎児の奇形の発生率があがることが報告されていますので、使用中はもちろん、中止後6週間までは避妊が必要です。また授乳についても避けることが必要です。今後の妊娠・授乳や使用中に妊娠した場合などは、主治医の先生とご相談ください。

・シクロホスファミドの服用中は、生ワクチンと呼ばれる種類のワクチンを原則的に接種することができません。これは、免疫反応が抑えられているため、ワクチンの効果が得られないばかりか、逆に病気を引き起こす可能性があるためです。麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹等のワクチン接種を希望される際は、打ってよいもの(不活化ワクチン)か主治医の先生に相談してください。

・シクロホスファミドの使用中には、手洗いやマスクの使用など、日常的な衛生管理を徹底することが重要です。感染を疑わせる症状(発熱、喉の痛み、咳など)、血液の細胞減少を疑わせる症状(皮膚の異常なあざ、歯肉からの出血、軽い動きで生じる息切れなど)、その他普段はみられない異常な症状があれば、直ちに主治医の先生に相談してください。

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