ネットやSNSとの付き合い方

最近では、インターネットを利用することにより、簡単に様々な情報を得ることができるようになりました。病気の症状や検査、治療法などについてもパソコンやスマートフォンで検索して調べることができます。患者さんご自身やご家族などの周りの人が病気に関する知識を持とうとすることは大切なことです。しかし、インターネット上の情報の中には、古い情報や間違った情報が含まれていることがあります。情報の発信元が信頼できるかどうか、いつ更新された内容なのか、といったことを確認して、信じて良い情報かよく吟味する必要があります。その一つの手段は、別の複数の発信元からの情報と比べ合わせて、食い違いがないかどうかを確認することです。

特にSNSでは、誰でもより気軽に情報を発信することができます。その情報をさらに他の人が拡散させることによって、真実ではない情報がまるで真実かのように見えることがあります。フォロワー数が多い人の発言や、“いいね”やインプレッション数が多い投稿だからといって、科学的に正しい内容とは限らないので注意しましょう。

<信頼性が高い情報源の例(患者さん・ご家族の方向け)>

難病情報センター小児慢性特定疾病情報センター

・学会(日本リウマチ学会 など)

・医療機関(各大学病院 など)

・製薬会社 ※ただし、薬剤に関しては、その会社で販売している薬剤のみが紹介されています。ご自身が使用している薬剤について詳しく知ることができます。

患者さんやご家族がブログやSNSを用いて情報を発信することも増えてきました。他の患者さん・ご家族の病気との付き合い方を知ることができますし、仲間がいることは心強いことです。ただし、名前や居住地だけでなく、病気に関する情報も大事な個人情報です。病気への不安につけこんで、健康食品などの販売目的や勧誘目的に悪用される危険性もありますのでご注意ください。また、家族や友人を含め他の人が病気を持っているということをその人の承諾なしに発信しないようにしましょう。

“ネット依存”や“SNS疲れ”という言葉ができたように、ネットやSNSを長時間利用して時間をムダにする、昼夜逆転して生活習慣が乱れるなど悪影響を受けることがあります。病気のことで疑問に思うことや心配に思うことがあると、検索をやめられなくなることがあるかもしれません。しかし、SLEなどの膠原病疾患では同じ病気でも患者さんによって出てくる症状や重症度は異なります。それに伴って、ふさわしい治療も変わってきます。ネットの情報には、あらゆる症状が書かれていたりしますが、必ずすべてがご自身に降りかかってくるわけではありません。治療法や将来的な予測も、ご自身にふさわしい内容が必ずしも書かれているわけではありません。ご自身の病気や病状について疑問に思うことや心配に思うことがありましたら、ネットやSNSの情報に頼り切らず、主治医や医療スタッフにも質問・相談しましょう。

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