ヒドロキシクロロキン(プラケニル®)について

ヒドロキシクロロキンとはどのような薬ですか

ヒドロキシクロロキンはSLEに使用される薬です。もともとは感染症の一つであるマラリアの治療薬として開発されました。過剰になっている免疫反応を調節して炎症を改善することでSLEの症状改善に役立つことが明らかとなり、現在はSLEの中心的な薬として、世界で広く使用されています。長期にわたって使用することが多い薬ですが、内服にあたっては注意すべき点があります。

どのような場合にヒドロキシクロロキンが処方されるのですか

全身性エリテマトーデスと診断されたら、基本的にすべての患者さんに処方されるお薬です。皮膚や関節症状によく効くとされ、病気の再燃を抑える効果もあります。一部の患者さんでは網膜症の副作用が起こることがあり、使用前の眼科検査で異常があった場合は使用できないことがあります。

どのように服用すればよいのでしょうか

1日1回、食後に服用します。身長から計算される理想体重(男女で異なります)にあわせた用量で内服することが一般的ですが、病状や副作用を考慮して用量を調整されて処方されることもあるため、主治医の先生と相談してください。

副作用にはどのようなものがありますか

主な副作用として、網膜症、下痢などの胃腸障害、皮膚トラブル、肝臓の検査値異常、低血糖などがあります。網膜症になると、見え方、視力に変化が出ることがあります。ヒドロキシクロロキンによる網膜症をできるだけ早く症状が出る前に発見するために、定期的な眼科検診をおすすめします。最もよくある副作用は下痢で、5%以上の方におこります。飲み始めてから下痢が続く際は、薬の影響かもしれません。皮膚トラブルは、発疹が手足に出たり、重症な場合、くちびるがただれたりすることもあります。低血糖は、からだの糖分が下がることです。冷や汗が出たり、意識がもうろうとすることがあります。すぐにぶどう糖やジュースなどを摂ってください。肝臓の検査値異常は、受診時の採血でわかりますが、症状はあまり出にくいです。いずれの場合もおかしいと感じたら、早めに主治医の先生に相談しましょう。

何か注意が必要なことはありますか

・少なくとも年に1回は眼科を受診してください。眼科で異常が認められる方については、より短い間隔で眼科受診が必要な場合があります。

・視力が低下したり、色が見分けにくくなったりした際には使用を中止し、すぐに主治医の先生に相談してください。

・冷や汗が出る、血の気が引く、手足がふるえる、意識が朦朧(もうろう)とする、などの症状は、薬により低血糖を起こしている可能性があるため、速やかに受診してください。

・手足に力が入りにくいなどの症状は、薬により身体のミネラル不足を起こしている可能性があるため、速やかに受診してください。

・基本的には妊娠中、授乳中も使用を継続することができる薬ですが、その間に内服を継続するかどうかは主治医の先生に相談してください。

※女性の理想体重(kg)=(身長(cm)- 100)× 0.85

 男性の理想体重(kg)=(身長(cm)- 100)× 0.9

・理想体重が31kg以上46kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)を内服します

・理想体重が46kg以上62kg未満の場合、1日1回1錠(200mg)と1日1回2錠(400mg)を1日おきに内服します

・ 理想体重が62kg以上の場合、1日1回2錠(400mg)を内服します

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