リツキシマブ(リツキサン®)について

リツキシマブとはどのような薬ですか

リツキシマブは、免疫を担うリンパ球の一つであるB細胞に特異的に結合し、その働きを抑えるお薬です。正常な免疫システムは本来自分の体を守るためのものですが、SLEではこの免疫システム、特にB細胞に異常を来し、自分の体を攻撃してしまうことで全身の様々な臓器に炎症を引き起こします。リツキシマブはこのB細胞の異常な働きを抑制することで、炎症を抑え、臓器のダメージを防ぐことができます。

どのような場合にリツキシマブを使うのでしょうか

日本では、SLEのなかでも「ループス腎炎」が保険適用となっており、標準的な治療を行っても治療効果が十分得られないループス腎炎の患者さんに使われます。

どのように使う薬剤でしょうか

通常、最初の治療では、1週間ごとに合計4回、点滴でリツキシマブを投与します。リツキシマブ投与時に、インフュージョンリアクションと言って、発熱や悪寒、発疹などが出ることがあるため、リツキシマブを投与する前に抗アレルギー薬や解熱薬をあらかじめ投与します。最初の点滴の日は、副作用に注意しながら、時間をかけて薬をゆっくりと投与するため、点滴の時間が長くかかることがあります。また、最初の治療以降の投与スケジュールについては、主治医の先生とよく相談してください。

副作用にはどのようなものがありますか

リツキシマブの点滴投与中に、頭痛や血圧の上昇、発熱、痒み、発疹、その他のからだの異常を感じたときは、主治医の先生や医療スタッフなどにすぐに伝えてください。リツキシマブ投与後には、肝障害や血液細胞の減少(貧血、白血球減少、血小板減少)などが起きることがあります。特に重大な副作用として、脳症(頭痛やけいれん)を起こすことなどがあります。

何か注意が必要なことはありますか

・リツキシマブによる治療を行っているときには、ワクチン接種を受けても、からだに抗体がつきづらい場合があります。また、生ワクチンを接種することはできません。ワクチン接種のタイミングなどは主治医の先生とよく相談してから決めるようにしてください。
・肝炎ウィルスにかかったことがある方は、リツキシマブによる治療を行う前に主治医の先生に伝えてください。
・感染症のリスクを減らすために、手洗いやうがい、マスクなど、衛生管理を徹底しましょう。
・感染を疑わせる症状(発熱、喉の痛み、咳、排尿時痛など)や血球減少を疑わせる症状(異常なあざや出血、息切れなど)、その他の異常な症状があれば、直ちに主治医の先生に伝えてください。

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