アニフロルマブ(サフネロー®)について
アニフロルマブとはどのような薬ですか
I型インターフェロンは、体内でウイルスなどの病原体と戦うために作られるたんぱく質の一種です。しかし、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんでは、このI型インターフェロンが免疫システムを過剰に刺激し、SLEの症状を悪化させることがあります。アニフロルマブは、I型インターフェロン受容体に結合し、免疫システムの過剰な反応を抑える働きがあります。臨床試験では、SLEの患者さんの症状の改善やステロイドの内服量を減らす効果が確認されています。
どのような場合にアニフロルマブが処方されるのですか
アニフロルマブは、SLEの患者さんの中でも、特にステロイドや他の免疫抑制薬で十分な効果が得られなかった場合に処方されることがあります。
どのように使用すればよいのでしょうか
アニフロルマブは、点滴で投与されるお薬です。通常、4週間ごとに病院で点滴を受けます。点滴の時間は30分から1時間程度かかります
副作用にはどのようなものがありますか
他の免疫抑制薬と同様に、細菌やウィルスに抵抗する力が低下し、感染症にかかりやすくなったり、感染症にかかった場合に重症化・長期化することがあります。特に、気管支炎や帯状疱疹が報告されています。頻度はまれですが、重篤なものとしてアナフィラキシー(重症なアレルギー)、肺炎などの重症感染症があります
何か注意が必要なことはありますか
・妊娠中の女性や、妊娠している可能性がある方には、お薬の投与を行う前に慎重な判断が必要です。お薬を使うことによる利益が、リスクを上回ると判断される場合のみ、使用することがあります。動物実験では、アニフロルマブが胎盤を通過することが示されています。前もって主治医の先生とよく相談してください。
・B型肝炎ウイルスを保有している方 や以前に感染したことがある方は、再びB型肝炎ウイルスが活性化することで肝炎が再燃することがあります。お薬を投与する前に、B型肝炎ウイルスに感染していないかどうかを確認する検査を行います。
・以前に結核に感染された方、実は隠れて感染されている方も、薬を開始することで結核が活性化し、再燃することがあります。この薬を使い始める前に、結核の検査を受けていただきます。問診、胸のレントゲン検査、血液検査を行い、必要に応じてCT検査も行います。これは、結核に感染していないかを確認するためです。薬の使用中も、定期的に胸のレントゲン検査などを行います。結核の症状(発熱や咳など)には特に注意が必要です。
・アニフロルマブの投与中に生ワクチンは基本的に接種できません。ワクチンを希望される際には、打ってよいもの(生ワクチンではないワクチン)かそうでないかを必ず主治医の先生に確認してください。
・感染症のリスクを減らすために、手洗いやうがい、マスクなど、衛生管理を徹底しましょう。
・薬の相互作用の可能性を避けるため、他に服用している薬があれば主治医の先生に伝えてください。